言い訳がましいのだが、このブログへのアクセス数は去年夏をピークに減る一方で、それにしたがって僕も「誰にも読まれない文章なら書いても仕方がないな」と思い、更新を怠るようになってしまったのだ。
ところが、この頃友人や研究室メンバーから「最近ブログを更新していないね。もう書かないの?」と尋ねられることが多くなった。
僕としては、このブログを定期的に閲覧する人が存在する事実に驚きを覚えた。
このブログの内容が読者にとって有益と言い切れる自信を僕は持たない。
院生の本職たる研究の話ならともかく、僕はお世辞にも政治・趣味・社交に熱心とは言えないから、ここに記せることはせいぜい自身の近況、考え事くらいだ。
僕は同世代と比較してきわめて優秀というわけでも、情報収集力に長けているというわけでもないし、しいて特徴があるとすれば何かにつけて"諦めが悪い"ことくらいだろう。
だが、わずかながら「和田の書いた文章を読みたい」と言ってくれる人がいた。
僕のブログがどのように彼らの好奇心を掻き立てたのかは未だによく分からないが、そう言われたことには僕も満更でもない気分を感じた。
文章を書くことは、きっと僕にもメリットがある。
頭の中で湧き出た構想を文章にまとめることは、思いのほか難しい。
最近研究計画書(いわゆる学振の申請書に似たようなものだ)を作成する機会があり、それを痛感した。
自分の思考をサイエンティフィックに、論理的に、説得力を以って、他人に伝える技術は、実際に文章を書き続けなければ身につかない。
僕は将来研究者になりたいと考えている。
新しい概念や物質、あるいは手法を構想し、今まで不可能だったことを可能にしたい。
そのためには、自分の研究をサポートしてくれる人々に、研究の意義を説得できる必要がある。
それを目指すことで、自分の研究を独りよがりではなく、専門分野、あるいは広く科学界にとって価値のあるものに設定できるはずだ。
サイエンティフィックに価値があり、説得力のある文章を書く能力が、ブログを更新し続けることで養えるのかは、正直よくわからない。
ただし、少なくとも文章を書くことに対する心理的障壁を小さくできるはずだ。
文筆家・プレゼンターとしての能力に偏りすぎて、肝心の研究計画力が疎かになってはたぶん研究者として望ましくないけれども、その二つをインタラクティブに行えるようになれるならば、将来どこで仕事をするにせよ、強力な武器になるはずだと考えている。
論文を読んだり、研究室の報告書を作ったりする研究室でのルーチン(それはいずれも研究能力の向上を図って課せられているものだ)の中に、僕の独自の試みとして、文章を書くことである、ブログの更新を加えたい。
よって、これからは可能な限りブログを更新してみようと思う。
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