2016年6月19日日曜日

ずんだ餅

今週は22歳の誕生日を迎えた。

それを聞きつけた研究室の先輩たちが先日誕生会を開いてくれた。
誕生会に行ってみると、ずんだロールケーキがあった。
どこにあったのか、と買い出しに行った人に尋ねると、丸の内の大丸東京店にあるずんだ茶寮まで買いに行ったのだという。
僕はずんだ餅が好物だと何度か話したことがあったから、それを配慮してたケーキを選んでくれたのだろう。
とてもうれしい話だ。
ずんだロールケーキ

僕が初めてずんだ餅を食べたのは小学5年生の頃だったと思う。
「変わった餅があるよ!」と、珍しい物好きの母が生協で注文したのだった。
数週間後、緑色の粘土のような餡に包まれたずんだ餅が届いた。
ずんだ餅
初めてずんだ餅を見た感想は「なんで緑色なん…苦そう…」というものだったと記憶している。
ずんだ餅は仙台名物だから、愛媛出身の僕には見慣れない代物だった。
「騙されたと思って、食べてみ」と母に急かさたので、気が進まないながらも餅を一個口に入れた。
不思議な感覚を味わった。
枝豆の触感と味が舌に広がるが、適度に甘い。餅と合わせて食べると美味だ。
もう一個の餅は餡を多めにつけて食べる。
先ほどより濃厚なずんだ餡が餅に絡みつく。うまい。
また一個、さらにまた一個、と食べるうち、プラスチックケースはすぐ空になってしまった。
僕はすっかりずんだ餅が好きになって、母にまた買ってもらうようねだった。
母は「それは難しいねえ」と言った。ずんだ餅は愛媛のスーパーではまず見つからない菓子だったし、生協のカタログにもそれは滅多に載らなかったからだ。
僕にとってずんだ餅は、いわば年に数回しか食べられない高級食材だったのだ。

それから何年か経って、僕は大学進学を期に東京で一人暮らしを始めた。
東京は全国の風物がなんでも揃うところだ。
それはずんだ餅も例外ではなく、愛媛にいた頃よりは格段にずんだ餅へのアクセシビリティが高まった。
近所のスーパーには(いつもではないが)ずんだ餅が置いてある。
日曜になると店先で餅つきがあって、様々な種類の餅が販売されている。
嬉しいことに、僕は以前よりずっと簡単にずんだ餅を食べられるようになった。
それでも毎日これを食べられないのは惜しいけれども、いま以上頻繁に食べてはかえって有難みが無くなるというものだ。

おととし仙台に行ったときもずんだ茶寮で「ずんだシェイク」を味わったが、今回の誕生会では「ずんだロールケーキ」のほかにも、「ずんだ大福」を食べさせてもらった。
どちらも大変美味であったから、また折を見て食べたいと考えている。
次はいつずんだ茶寮に行こう?

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