新年度が始まり二週間が経った。僕の過ごす本郷キャンパスは基本的に大学三年生以上の通う場所であり、新入生の姿を見かけることはまずない。反面、新入生に溢れた駒場キャンパスではきっと今年も様々な団体が新入生勧誘にいそしんでいるのだろう。僕のサークルでは新歓活動は基本的に大学二年生のお仕事だから、四月だけれど僕はサークルから縁遠い生活を送っている。
僕も最近は研究室が忙しく時間が取れなくなっているのでありがたい限りだ。
大学一年生のなかにはサークルや部活の新歓イベントに毎日顔を出している人もいるだろう。高校までの学校と異なり、大学にはクラスごとの教室がない。毎日大学で講義を受けているだけではなかなか友人はできない。もちろん大学に友人関係を求めない人もいるだろうが、これからの最短四年間を友人なしで過ごせる勇気のある人は多くないだろう。サークルや部活に入ることは「せっかく大学生になったのだし、これからは人間関係を広めたい…」と思っている新入生に良い選択肢だ。大学生は今までより自由な時間の使い方ができるぶん、社交の選択肢は充実する。
誰かの家で夜遅くまで語り合ったり、同年代の友人と泊りがけで旅行に出かけたり、高校生/浪人生だった今までより自由な交友ができる。そのうち同期達とお酒が飲めるようになれば、普段言えないような悩み、秘密を友人たちに打ち明けたり、打ち明けられたり、質・量ともに充実した人間関係が構築できる(といってもこれはお酒を飲めなくい人でもできることだ、体質的に飲めなくても安心してほしい)。
さて、「どこのサークルに入ればいいのか」という問題だが、ここで東京大学地文研究会地理部(略して地理部)を宣伝させてもらおうと思う。おすすめする理由はいくつかある。
- 入部条件(大学名,年齢,参加費, etc.)がない完全なインカレサークルである
ご存知のように東大には多くのサークルがあるが、入部条件がある場合も少なくない。東大女子不可、未経験者不可、一発芸が面白くないと入部拒否など、いくつかのところは新入生が気軽に入りづらい条件を課している。本当にそのスポーツ/文化活動に情熱を持っている人間をセレクション(選抜)することは団体にとって重要だが、ただ何となく友人を探している新入生には敷居が高く感じられるだろう。地理部は入部にあたって特に条件を課していない。東京近辺の大学に通っている学生ならだれでも入部できる。自分の大学がどこであれ気に病む必要はない。実際地理部には「自分の大学外のサークルにいたんだけど、なんとなく煙たがられて…」という他大学の学生がやって来て、積極的に参加している。年齢制限もないから、大学二年生以上でも気軽に参加することができる。現に僕が大学二年で地理部に入ったのだが、「彼は大学で同じ学年だけど、サークルに入ったのは自分が後だから先輩と呼ぶ」ということはない。同じ学年なら、入った時期に関係なくフランクに付き合っている。上下関係は特に厳しくないので、先輩・後輩とも気軽に接している。参加費は全くいらない。必要なのは交通費・食費・宿泊費くらいである。
- 散歩・旅行ができる
- 参加義務がない
すべての巡検・合宿・イベントは自由参加だ。勉強が忙しいときは巡検を休んでもいいし、お金に余裕が無さそうならコンパに出なくてもいい。僕はこれをいいことに実験レポートで多忙だった大学三年生の一年間はほとんど巡検に行かなかった(ごめんなさい)が、特に実害は生じていない。長期休みの合宿だけ行く人、コンパにだけ来る人、巡検なら可能な限りすべて行く人、いろいろなタイプの部員がいる。全く地理部と関係ないところで出会った人に挨拶すると、「実は俺も地理部員なんだ…幽霊部員だけど」と言われたこともある。入部により義務が生じるわけではないのでこのようなことも生じるが、もともと入部人数が多いので今のところ部員不足は問題となっていない。もちろんある程度活動にコミットすれば、多くの友人が見つかるだろう。現に僕が大学で作った友人の多くは地理部に由来する。
この記事を見て「なんとなく面白そうだなぁ…」と思ったら、新歓巡検に参加してみるのが良いだろう。今年の巡検予定は公式ウェブサイトで閲覧できる。事前連絡は特に不要だ。特に4月28日から29日にかけて行われる「山手線一周巡検」はおすすめだ。午後七時頃に駒場キャンパスから出発し、渋谷を起点として山手線を外回りで十二時間以上かけて一周する。夜の東京を安全に味わえる面白い企画で、地理部の伝統行事となっている。40km以上を歩く気力がなければ終電帰宅・始発合流も可能だから、気軽に参加できるだろう。今年も僕はこれに参加するつもりだ。
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